森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
 エディは嘆息し、頭を抱えて(うめ)いた。

 見上げると、冬にしては奇跡的なくらい空は晴れ渡っている。

(僕の心とは、大違い……)

 羨ましい、とエディは呟いた。

 だってエディの心ときたら、日がな一日雨模様なのだ。男装してからなりを潜めていた、弱っちいエディタが顔を覗かせている。

 こういう時は、行動までエディタになるらしい。

 気づくと、もう随分と行っていなかった、村はずれにある大きな(にれ)の木の下に、エディは立っていた。

 ここは、エディが弱虫エディタだった頃、メソメソと泣いていた場所である。

 エディは木の下に、座り込んだ。抱えた膝の上に顎を乗せて、ぼんやりとする。

 ロキースのことを考えると、心臓が凍えそうになった。
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