森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
『鍵をどうにかしなければ。その想いだけで、意地だけで、彼女は命をつなぎ止めていたのだろう。最期に彼女が、己を頼ってくれたことを、己は誇りに思う』

 そう言って、ヴィリカスは話を締め括った。

 それきり彼は何も喋らない。もう終わりだというように、彼は一本の鍵を吐き出した。

 鼻面で鍵を押し出し、エディを見る。

 ロキースに背を押され、エディは立ち上がった。

 ゆっくりと歩み寄り、鍵を手に取る。

 鍵がエディの手の内に収まるのを見届けて、ヴィリカスはどこか悲しげだった。

(もしかして、ヴィリカスさんは……)
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