森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
「茶も菓子も結構だ。悪いが、部外者は出て行ってくれないか?」

「部外者だなんて、そんな……」

 婚約破棄されたご令嬢のように悲嘆に暮れる高官に、ジョージもだんだんイラついてきたみたいだ。

 メガネのブリッジをクイッと押し上げた彼の目は、「黙れ」と言っている。

「ひぇっ……ももも申し訳ございません。では、ごゆっくりお話くださいませ。えぇえぇ、もちろんしっかり人払いしておきますので、ご安心ください! しっ、失礼致します」

 背中を見せれば斬られるとでも思っているのか、高官は器用にジョージの方を向いたまま後ろ足で逃げていった。

 扉の隙間から、エディにだけ分かるように目配せするのも忘れない。
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