森守の令嬢はもふもふ大型獣人に執愛される
(それに加えて器量よしとくれば、ますます納得……)

 茶器を扱う手は白く、ほっそりとしている。ずっと前の、エディの手のように。

 肌からは甘い香水の匂いがほんのりと香っていた。いかにもお嬢様というような、上品な香りである。

「温まるように、スパイスも入れてみたのよ。お口に合うと、良いのだけれど」

 そう言って差し出されたティーカップからは、シナモンの甘い香りが漂っている。

 実は、エディはシナモンが大嫌いだったが、せっかくの兄嫁からの好意を無碍にもできず、おとなしく受け取って飲んだ。

「美味しいよ」

 ぎこちなくなりそうな顔に笑みを浮かべ、エディはルタを見た。
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