殺戮学園
「制限時間は10秒!

それじゃ、よ~い、始め!」


小又兄の号令で、命をかけたクイズのカウントダウンが始まった。


そのカウントダウンに陽子は恐怖し、体を震わす。


まるで1秒ごとに自分の命が削られていくようなヒリヒリとした感覚の中で、陽子はパニックになりながらも、正解の言葉を探していた。


「な~な。ろ~く。ご~。よ~ん」


小又兄はまるで子供が遊んでいるみたいに、カウントダウンを続けていた。


そのカウントダウンが陽子の命を削っているにも関わらず、小又兄は楽しそうに笑っていた。


「わかんない……。

そんなのわかんないよ!」


陽子が恐怖に怯えながら言ったその言葉で、最悪の状況が想像された。


カウントダウンが終わり、陽子の口から答えが出なかったそのとき、きっと見てはいけない惨事が起きる。


真美はそう思うと、いてもたっていられずに、陽子に向かって叫んでいた。


「何か答えて、陽子!

もう時間がない!」


あの残虐な殺人鬼の前で、女子中学生でしかない自分は無力だ。


真美は祈るような気持ちで、陽子の口から正解が出てくるのを待っていた。
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