木村さんと蛇
ちょっとしたハプニングもあったけど、ようやく入学式が終わり私たちは先程体育館へ案内してくれた先輩について行き教室へ戻った。担任の先生はまだ発表されていなくて、クラスメイト達はその話題で盛り上がっている。私もどこかのグループの輪に入って話がしたいけど、周りは中学からできているグループなのかなかなか声をかけづらい…それとも、私のコミニケーション力の問題なのか、
どっちにしろ一人で悶々としていると教室の後ろの扉が開いた。
先生…では、ないよね?
誰だろ?みんながガヤガヤ騒いでいると
先程、新入生代表の挨拶をしていた木村雪菜さんが膝に絆創膏を貼った状態で教室にやってきた。少しだけ足を引きずっているようにも見える。木村さんは自分が注目されているのに気付き、視線から目を逸らし窓際の自分の席に座った。入学式で堂々と壇上で話していた姿と異なる緊張で恥ずかしがって委縮している姿に、本当にさっきの挨拶していた子と同一人物?って疑いたくなる。
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