はじめてのカレカノ

夕方になり、翔がバイトに行くというので一緒について行った。

「お疲れ様です」「ただいまー」

「翔くん、今日もよろしくね。あら?結月も一緒だったの?」

「なら丁度いいわ。二人に話があったのよ」

お母さんの話はこうだった。

8月に改装する為に5日間お店を休業すること。

5日間は翔のバイトも休みになること。

その間にお父さんとお母さんで3泊4日の温泉旅行へ行くこと。

そこで問題が発覚したこと。

温泉旅行と同じ日程で陽人が福岡の強豪校へ夏合宿に行くこと。

「何か問題あるの?私は平気だよ。気にせずに行っておいでよ」

「結月、4日間も家に一人で居られるの?」

お母さんが心配そうに聞いてくる。

「大丈夫だよ。もう高校2年生だよ。平気、平気!変な人が来たら翔に来てもらうし、ね、翔」

「そうね、翔くんがおうちに来てくれるって言うなら安心なんだけど」

そう言ってお母さんが翔の反応を見た。

「もちろん、結月さんのことは俺に任せてください、安心して旅行を楽しんできて下さいね」

「やっぱり翔くんは頼りになるわぁ、ありがとう」

後ろからお父さんが小声で、

「清いおつきあいをするんだぞ」

なんて言うから、翔と私は顔を見合わせて真っ赤になった。
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