天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「【報酬をお支払いする】
と言ったらどうしますか?」


「・・・・・・・なんですって?」


「まず、阿部先生が我が学園に赴任して5年の間に破損させた、

ビーカーやフラスコといった実験容器代を全額学園が負担します。

今まで自費で購入頂いていましたが、過去の分も含めてキャッシュバックします。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「更に、野球部の顧問を引き受けて頂いた場合、特別手当をお支払いします。

ただの部活の顧問ではなく、

世間から猛バッシングを受けた野球部の顧問ですから。

我が学園の信頼回復に力を貸して頂けるなら、それ相応の謝礼をお支払いします。」


「・・・・それが理事長の意向というわけですか。」




“阿部君なら、こち亀の両さんみたいに金へ執着するはず”


理事長の捨て身の秘策・・・。
さぁどうする変態教師・・・?




「一千万。」


「・・・・・はい?」


「では、僕が野球部を全国大会へ出場させたら一千万頂きましょう。」


「・・・・・・は!?」


「契約期間は来年度の夏まで。

もしそれが出来なかったら、ボヤ騒ぎで散々ご迷惑お掛けした事も含めて、

責任を取って僕も潔くこの学園を辞めましょう。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「誠意は言葉ではなく金額。
・・あなた達の方針は分かりました。

さぁ教頭。今すぐ理事長室へ戻って、理事長へ僕の要求を突きつけてください。」



・・・この男・・・・
やっぱり狂ってる・・・。






第1話 完














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