天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「やろうと思えばやれる今日を中止にさえ出来れば、“憲伸君の右足が完全に治る”

というのが僕の目論みですが、
憲伸君だけではありません。

3回戦から大会に臨んでいるシード校の南邦高校さんと比べ、君達は1回戦から。

・・・ご安心ください。練習試合と公式戦の重みは素人の僕でも理解しています。


先日の享令高校戦までで一区切り。

英気を養って、残り3試合。
準々決勝~決勝まで突き進みますよ?」



「いやぁ~私も我が学園サッカー部を指導していた頃に、

疑惑のオフサイド判定で猛抗議して退席処分を食らった記憶が蘇りました。

[我が学園の大事な生徒が、

このグラウンドコンディションで怪我をしたらどうするつもりだ!?]

阿部先生と一緒に、審判の方々と大会役員様に詰め寄ってきました。」



変態が険しい顔を作りながら、いつもの気持ち悪いニチャァ笑みを浮かべる。


教頭先生が険しい顔を作りながら、
いつもの穏やかな口調を向けてくれる。


確かに・・阿部先生の目論み通り、
もし2日も順延されれば・・


エースの怪我が回復して、

復帰した立浪くんがサインの確認とか、
チームとの連携に必要な時間が取れて、

状況はウチらが圧倒的に有利になる・・!


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