35cmの音
「ちゃんと分かる。分かってる!」

僕が悔し涙を流すなんて、一度も無かったのに。

「うん...そうだね、舞音にはちゃんと分かってて欲しい。」

“どうせ玲音には勝てっこない”と、昔から諦めてた。

「知らなくていいのなら、知りたくなんてなかった。」

だけど玲音に負けたくないと初めて思った。

「でも、知ってて。私は玲音しか見えない...見てない」

この恋に、勝ち負けがあるとするなら、

「うん、」

僕は勝者でいたかった。
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