お願い、あと少しだけ
エメラルドの指輪
一緒にシャワーに入って、お互いの身体を洗いあい・・・弘樹はもう一度奈緒子を抱きたい気持ちを抑えつつ・・・身体を拭きあって、着替えた。

「朝ごはん、作るね。・・・って、洋食でいい?」

「奈緒子の作るものなら、何でも」

さらっとそういう台詞、言えちゃうんだもんなぁ。と思いながら、奈緒子はささっと、野菜サラダ、チーズオムレツ、トースト、コーンスープの朝食を用意した。

「出来たよ」

「ありがとう、食べよか」

「うん」

弘樹が食べ始めると、じっと見つめている奈緒子がいた。

「なに?」

弘樹が不思議そうに聞くと、奈緒子が恥ずかしそうに、

「なんか、新婚カップルの朝食みたいだな、と思って」

「すぐに、そうなるよ。あ、そうだ、これ・・・」

弘樹が小さな箱を奈緒子に差し出した。

「開けていい、の?」

「もちろん。奈緒子に、だから」

リボンを解くと指輪ケースが入っていて、開けるとエメラルドの指輪が入っていた。

「これ・・・」

「奈緒子の、誕生石だろ?ファッションリングだけど、仮の、エンゲージリングと思っといて。エンゲージのは、ちゃんと給料3か月分のダイヤモンド、用意するから」

「・・・・」

なんか、涙がでてくる。

「はめてください」

遠慮がちに奈緒子は言った。

弘樹が指にリングをはめると。

「うっそ、ぴったり。なんで?」

不思議そうに奈緒子が言う。

「いつだったかなぁ。奈緒子たち女子が、指輪の話してただろ?そのときの号数を覚えてたわけ」

奈緒子は心から驚いて。

「すっごい記憶力。1年くらい前だよね?」

「あはは、我ながら、そう思うよ。思えば、その頃はもう、奈緒子に指輪あげること、考えてたんだろうなぁ」

「だったら・・・もっと早く」

「ごめん」

なんだか、湿っぽくなってきた。奈緒子がその空気を変えようと明るく言った。

「指輪、ありがとう。すっごい気に入った。大事にするね」

「ああ。男よけでもあるんだからな。いつもしててくれよな」

「うん」

あぁ、私たち、幸せだ・・・奈緒子は思った。


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