ちよ先輩のてのひらの上。


すぐに重なった唇が、私に甘く心地よい感触を与える。


「……ん……っ」


先輩は微かに音を立てながら、さらに続けてキスを落とした。

体から、だんだんと力が抜けていく。

先輩の手がそっと私の体に力を加えて、後ろの壁へと押し付けた。

背中に触れる硬い感触に、体重を預ける。


キスが、どんどん深くなっていった。

頭の中がとろとろになって、立っているのが精一杯だった。


酸素を求めて、口を開く。

すると、まるでその瞬間を待っていたように、先輩の舌がゆっくりと私の中へ入ってきた。

初めての感触にびっくりして、身を引こうとするけれど、逃げ場なんてなかった。


「っふ……ぁ」


柔らかくて、熱くて、くすぐったい。

わずかに残っていた力が、先輩に吸い取られていくみたい……。


かくん、と膝が折れて、私はずるずると壁によりかかりながらしゃがみ込んだ。


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