△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~



 普段冷静な宮だが、その嘘だけは許せなかったのか、かなり低い声でそう言い、剣杜をジロリと睨み付けた。かなりの迫力に、一瞬たじろんでしまう。けれど、この話は終わりには出来ない。剣杜も負けずに怒りの表情で宮を見返す。

 「おまえ、虹雫が好きなんだろ?しかも、恋人いないんだろうが。さっさと付き合えばいいだろ」
 「今はそういう時じゃないんだ」
 「じゃあ、他の奴に取られてもいいのかよ。あいつ、不安なんだよ。お前が誰かと恋人になるんじゃないかって。結婚するんじゃないかって。……何で、あいつの気持ちを知ってるのに付き合わないんだよ。……わけわかんねーよ」


 そう、虹雫と宮はお互いに想い合っている。それなのに、いつまで経っても付き合わないのだ。
 虹雫は自分に自信がない部分がある。だから、宮が自分を好きなはずがない、そう決めつけている部分があるのだ。幼馴染だから優しくしてもらっている。隣に居られる、そう思っているのだ。だから、告白をして恋人になれなかった時に幼馴染という居場所さえも消えてしまうのを恐れているのだ。その気持ちはいたいほどわかる。
 だが、宮の考えは全く理解出来ないのだ。虹雫の気持ちもわかっており、両想いだと気づいているはずなのに、告白をしない。さっさと告れば恋人になれる状況をもう5年以上そのままなのだ。その考えも話そうとはしない。意味不明なのだ。



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