△は秘密色、○は恋色。~2人の幼馴染みを愛し、愛されてます~




 どんな事を思い出しても、彼らが出てくる。
 自分には大切な存在。今の自分がいるのは2人がいたからだと思えるほどだった。


 「じゃあ、今日の思い出もしっかり残しておかないとね」
 「もちろんだよ。その、恋人としてだから、今までとはちょっと違うけど」
 「そうだね」


 恥ずかしくなり、少し口ごもる虹雫を目を細めて微笑みながら見つめる宮。すると、彼の手が虹雫の頬に触れられる。春の夜は、少し風が冷たい。宮の指先もひんやりとしていた。
 宮の顔がゆっくりと近づいてきて、彼がしようとしている事を察知した。


 「ま、待って、宮……」
 「ん?どうしたの。キス、嫌だった?」
 「そういうわけじゃなくて。あの、白狐様見てるかもしれない」
 「幼馴染同士で恋人になったんだなって報告になるんじゃない?」
 「……青のりついてるかもしれないし」
 「そんなの俺だって同じだよ。外だから、恥ずかしいんでしょ」
 「う、うん……」
 「誰も見てない」
 「それはそうなんだけ、ん………」
 

 虹雫の言葉を飲み込むように、途中で宮の唇で口をふさがれたしまう。
 いつもよりも深いキス。虹雫の唇を覆いキスをする宮に、翻弄されてしまう。
 強張っていた体の力が抜けて、彼の体に寄りかかってしまう頃に、ようやく彼の唇から解放された。

 「み、宮……」
 「外だと開放的になっちゃうね」
 「宮の意地悪」
 「そんな潤んだ瞳で言われてもな。もう1回だけいい?」
 「ダ………」
 「ダメとは言わせないけど」
 「ん……」


 いつもとは違う、少し強引な彼の態度とキスに、虹雫は驚きながらも甘い雰囲気にうっとりとしてしまう。宮がくれる刺激的なキスを感じながら、虹雫が触れている彼の胸の鼓動が早くなっているのがわかり、嬉しくなってしまう。彼も自分と同じなのだ、と。

 桜と白狐に見守られながら、虹雫と宮はしばらくの間、2人だけの甘い時間を過ごしたのだった。

 

 
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