溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

…もしかして?
それがこの人の目的だっりして。

『まんまと(おび)き寄せて
 酔わせて断れなくしよう作戦』

それが事実なら
恐るべしハイスペック男子。

そんな手に乗ってはいけないと思い。

「やっぱり私にモデルはちょっと…
 荷が重いと言うか…なんというか…」

口籠もりながら
やんわりふんわり
それとなく断ってみた。

それなのに。

「どうして?」

キョトンと
純粋無垢な顔してその質問は反則だよ。

「ど、どうして…と言われましても
 人前に出るのが苦手分野でして…
 オシャレとかでもないですし…
 そういう仕事は1番無理かと…」

拒否しているはずなのに
ハッキリしなさすぎて
自分で言いながら説得力が感じない。

「…そう」

凄く残念そうに眉尻を下げる彼に
期待に応えられない事が申し訳なってしまうよ。

「無理強いはしないよ。
 ただ…」

彼は一瞬《《間》》を空け。

「これは俺、個人の意見ね?
 化粧品の会社にいたから
 本当はオシャレに興味があったのかなって…
 ほんの少しでも
 変わりたい自分がいるように思えたんだけどね」

え…ーー
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