スター 〜芸人の人生〜

通話ボタンを押し、耳に当てる。






プルルルルル~…



プルルルルル~…





呼出し音が響いていた。






7回目のベルで受話器を取った枝津子ニャン。





フト、ピッキーと言う歌手のオートマの曲を頭の中で歌っていた。





枝津子ニャンなら、“名前を言わなくても声で、すぐ分かってくれる”だろう




そう思い、




「久しぶり~」




明るく元気に言った。





《誰!?》





ピッキーの曲通りには行くはずも無かった。







「俺…。智ポンやけど」





《智ポン…?え?…あぁ!あのレイプの!?

なぁなぁ、あの未成年レイプ未遂の犯人おるやろ?そいつから今、電話掛かってきてんねん!》





どうやら、枝津子ニャンは友達に言っている様…





「枝津子ニャン…、そう言うの辞めて…」



《うわ!“枝津子ニャン”とか言うてるぅ~!やっぱりレイプする奴は言う事も違うねんなぁ~》





枝津子ニャンの友達が言った。


< 115 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop