愛して先輩っ! XXX
「顔上げて?」

「いやですっ!」



誰が顔を上げるかっ!

告白を盗み聞きした転校生、なんて噂が広まったら困るじゃないか!

と、思ったのに。


私の両頬に、あたたかいものが触れた。

なにが起こっている!? と、頭の中で理解する前に、顔をぐいっと持ち上げられた。


一瞬の出来事だった。

男子生徒の大きな手で、両頬を挟まれている私。

目の前には、金髪ヤンキーくん。

金髪ヤンキーくんと目が合う。



「え、っと」



あの、優しい癒し系ボイスの持ち主は、ピアスやブレスレットをじゃらじゃらつけているヤンキーくんだったの!?

驚きすぎて、言葉が出なくなる。

人は見かけで判断しちゃいけない。

というか、人は声で判断してはいけないのね。

勉強になりました。


……じゃなくてっ!

なにか言わなきゃ!


あたふたする私の頬から手を離すヤンキーくん。

慌てる私に、ヤンキーくんは顔を近づけてくる。


近い!

近いって!
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