愛して先輩っ! XXX
「まあ、奈々ちゃんを大切にしない奴は、僕は嫌いだけどね」



その言葉は教室中に響き渡った。

なんともいえない空気にはなったが、瑠衣くんの一言はクラスメイトに少し届いた気がした。


だって。



「あの。藤澤さん」



そう言って、私のそばに来てくれた女の子が2人。



「次の移動教室、一緒に行かない……?」



遠慮がちに話しかけてくれた彼女たち。

彼女たちが私に話しかけてくれたのは、きっと瑠衣くんの言葉のおかげだと思う。


それでも。

私は声をかけてもらえたことが嬉しかった。



「一緒に、行きたいです!」



嬉しくなって、私は近くにいた瑠衣くんと星矢くんを見上げた。



「よかったな」



そう言って私の頭を撫でてくれる星矢くん。



「あーっ! 僕も奈々ちゃんの頭撫でる!」



そう言って、私の腕を引っ張る瑠衣くん。


……瑠衣くん。

思い切り撫でられると、髪の毛がぐちゃぐちゃになるんですが。


でも、それすらも嬉くて。

やっぱり、感謝の気持ちは大きくなる。
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