【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
「莉沙……辛い想いさせて、ごめん」
「光星さん……どうしてわたしが、あそこにいるって、分かったんですか?」
神宮寺社長がすごく辛そうな顔をして部屋を出て行ってから、わたしたちはしばらく呆然としていた。光星さんはわたしに何も言わず、ずっとわたしを抱きしめてくれていた。
わたしの乱れた服を見て、神宮寺社長に対して、光星さんは怒りを顕(あらわ)にしていた。彼を絶対に許さないと、そう言っていた。……だけど光星さんは決して、わたしを責めようとはしなかった。あの場所に光星さんにウソを付いてまで行ったわたしを、決して責めることはしなかった。
どうせなら責めて欲しかった。こうなったのはわたしのせいだって。だからこんなことになったって。 仕事の接待だと思って一人で行ったわたしは、心のどこかでこうなることを予想していたのかもしれない。……もしわたしがあのまま、彼に抱かれていたら、わたしはどうなっていたのだろうか。もしそんなことになったとしても、きっと自業自得だ。