【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「んんっ⁉ ちょっ……やめてっ!」

 わたしは聖川社長の胸を押した。

「な、何するんですか!?」

「なんだよ。たかがキスくらいで、そんなに怒るなよ」

 その言葉を聞いた瞬間に、わたしは腹が立って聖川社長の頬を思いっきり叩いてしまった。

「いって……」

「わ、わたしのことからかうのも、いい加減にしてください……!」

 な、なんでこんな男にキスされないといけないの……! さ、最悪!!

「冗談なんかじゃない、って言ったら?」

 聖川社長は、またわたしに一言言葉をかけた。

「…………。え?」

 それ、どういう意味……? 

「俺、本気でお前のこと落としたくなった。……だから、絶対にお前を俺のものする」

「っ、なんで……?」  

 なんでわたしにそんなこと言うの……? わたしは恋愛する気はないし、この人のものになるつもりだってない。

 なのにどうして……。どうしてこんなに、心が揺り動かれるのだろうか……。こんな男、ただの最低な人間なのに。
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