【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
「おはよう、遠藤さん」
「……あ、おはようございます」
次の週の月曜日。わたしは憂鬱な気持ちを抱えたまま会社へと出社した。金曜日の出来事から一変、今日もアイツの所へ営業に行かないといけない。 こんなにも憂鬱なこと、ないよ……。
「どう? 聖川社長は?」
「えっ⁉ あっ、いえ……!」
その名前を聞いて、ドキッとしてしまう。胸がドキドキする。
「ん? どうしたの?」
「あっ、いえ!……何でも、ないです」
その名前を口にしただけで、わたしは相当ビビる。……だってあの日わたしは、正真正銘、彼の身体に抱かれたのだから。
彼の腕の中で激しく乱れながら、わたしは彼と一夜をすごした。それはもう紛れもない事実。
「聖川社長、結構硬い人って聞いたけど?」
「えっ? あ、はい……。この前行ったら、わたしの話、全然聞いてもらえませんでした」
正確には聞こうとしなかった、だけど。
「そう……。せめて話くらい、聞いてもらえるといいんだけどね」
「はい」