【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。


【デート、どこか行きたい所はあるか?】

 返事に悩んでいたら、またそんなことが返ってきた。

【行きたい所ですか?】

【そうだ。莉沙の行きたい所があるなら、連れて行きたい】

 行きたい所か……。デートなんて久しくしていない。どこかに行きたいがあるかと言われても、すぐには思い浮かばない。

【すみません。考えおきます】
 
 とだけ返事して、スマホを閉じた。目を閉じると浮かんで来るのは、彼に抱かれている時の記憶だった。

 彼の体温、吐息、全部がわたしの中を支配して、全部彼のものになってしまいそうだった。彼だけに抱かれて、彼だけに想いをはせる。

【決まったら、また連絡してくれ。
後、最高のディナーを用意したい。何か嫌いなものはあるか?】

 デートで、ディナー? オシャレ……。さすが御曹司……。

【嫌いなものは、魚介類です。カニとかエビとか、アレルギーなんです】

 とだけ送ると、すぐに【そうか。わかった】と返信がきた。
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