【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



 そんなに喜んでもらえるなんて、思ってなかった。

「そっか……。ようやく進めたんだね、次の恋に」

「……はい。たぶん、ですけど」

 川嶋さんも知っている。俊太郎が事故で亡くなり、わたしは愛おしい人を失ったことを。……だからこそ、ずっとそばでさり気なく応援してくれていたんだ、わたしのことを。

「今度こそ、幸せになれるといいね。遠藤さん」

「……はい」

「わたし、応援してるからね?遠藤さんのこと」

「……ありがとうございます」

 川嶋さんは、わたしが入社した時からの先輩で。わたしの指導係だった。三年目になってようやく独り立ち出来たのも、川嶋さんがいたからだ。 川嶋さんには本当に、感謝しかない。

 彼が亡くなって落ち込んでいた時も、川嶋さんは最初に声をかけてくれて。そしてわたしのそばで、ずっと励ましてくれたんだ。だからわたしにとって、川嶋さんは頼りになる存在。困った時、なんでも相談できる相手だ。 川嶋さんがいてくれるから、わたしは頑張れる。
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