【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「今日は、ありがとうございました。……ごちそう様でした」

「莉沙さん、今度は、家に遊びにいらっしゃいね? 美味しいケーキと美味しい紅茶、用意するから」

「……はい。ありがとうございます」

「莉沙さん、いつでも来てくれて構わないからね?」

 わたしたちは、ご両親を見送る時に、ご両親はわたしにそう優しい言葉を掛けてくれた。本当にそれが嬉しくて。……本当に素敵な家族だなって思った。

「気を付けて帰れよ?」

「分かってるわよ。じゃあね?」

「はい。ありがとうございました」

 聖川さんのご両親は、手を振ると背を向けてホテルの出口まで歩いて行った。

「莉沙、長く付き合わせて悪かったな?」

「いえ。……すごく素敵な家族だなって思いましたし。楽しかったです」

「そうか。……なら良かった」

 聖川さんとの親子の会話も間近で聞けて、嬉しかったし。……もしわたしにも両親がいたら、きっとこんなふうに笑い合ったり、ケンカとかしてたのかな?なんて思った。
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