【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
光星さんに腕を引っ張られ、わたしはどこかに連れて行かれた。
「光星……さん?」
連れて来られたのは、ホテルの中庭だった。そして光星さんは、わたしをそっと抱きしめた。
「莉沙……すまない。カッコ悪い所を見せてしまったな」
「あの、大丈夫……ですか?」
なんだかわたしには、光星さんが少し震えているような気がした。 そしてそんな光星さんに、わたしは自ら唇を重ねていた。
「……え?」
光星さんは、わたしを不思議そうに見た。
「すみません……。少し、震えているような気がして……」
そんな弱った姿の光星さんを見るのは初めてで、少しだけ悲しくなった。
「……すまない。みっともない所を見せてしまったな。戻ろう」
「光星さん……もし何かあるなら、いつでもわたしを頼ってください。わたしはいつでも、あなたの味方ですから」
「……ありがとう、莉沙。 さ、行こう」
「はい」
わたしたちは、またお互いの手を握り合って会場へと戻った。