隣の部屋の新人くん
ハハハと課長の人を馬鹿にしたような笑い声が大きく廊下に響き渡る。

「そこらへんは自由だけどさ、付き合ったりでもしたら、絶対結婚迫ってくるから覚悟した方がいいよ」

課長の声に少しだけシンとなる廊下。
そして小さく響いて聞こえてきた。

「岡本さんのこと何も知らないのに、そういうこと言わないでください」

穏やかながらも少し苛立ちを含んだ坂口くんの声。

チンとエレベーターの到着の音が鳴る。

課長が適当に笑い流しながらエレベーターに入っていく。
坂口くんも一緒に乗り込んだようだ。

ドアの閉まる音と同時に、やっと廊下が静かになった。

明日、ドラマを観る土曜日がやってくる。
デートから一週間。

坂口くんはいつも私の胸を揺るがす。
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