サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

◎ 優斗くんから初めての電話 -詩織-


夜7時。夕食を済ませた私は部屋に入り受験勉強に取り掛かった。

その時、携帯が鳴って。

着信の相手は、優斗くん。

えっ? なんで? なんで優斗くんから電話が来るの?

不思議に思いながら電話に出る。

「もしもし?」

「あー、詩織。今、話せる?」

「どうしたの? 珍しいね。っていうか電話なんてくれた事あったっけ?」

あっ、変な言い方しちゃった。

「ごめん、何でもない」

「お前、ホント正直になったな。少しは気を使えよ」

優斗くんはそう言ってクスクス笑ってる。

「大学、悩んでるんだって? 恭介から聞いた」

「恭介から?」

「おう。当事者じゃない第三者になら言いたいこと言えるんじゃないかと思ってさ。詩織は恭介に何か遠慮してたりしないか?」

恭介が優斗くんに私が悩んでることを教えたの?

優斗くんの意見も聞いたらどうか? ってことなの、恭介。

私、そんなに恭介のこと頼っていなかった?
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