サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

練習が休憩に入った時、恭介が私のところまでやってきて、

「寒かったら先に帰ってて。練習終わったら詩織んちに行くし」

「ううん、寒くないから大丈夫。一緒に帰りたいからここにいるよ」

恭介は以前私が風邪をひいたことを申し訳ないと思っているのか、いつも体調を気にしてくれる。

あの時は私が勝手に待っていただけなのに。


私は恭介にしか聞こえない声で、

「私がまた熱を出したら夏のパジャマ着て待ってるから、またギュってしてね」

ってイジワルを言ってみた。

「なっ! ばか、あれは・・・。詩織のエッチ!」

「どっちがよ!」

そんな二人にしか理解できない会話をして、笑い合う。

それがとても幸せに感じる。
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