サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

この変な人の口からそんな活動内容を聞くとは思ってもいなくて、即刻断ろうと思っていたのに、何も言えなくなってしまった。

「自己紹介するよ。君にするのはこれで二回目だけど。俺は1年の吉野大地(だいち)。去年アフリカまで行ってて単位取れなくてさ。二回目の1年生になったって訳。あ、ダブリとか言うなよ」

「そっ、そうだったんですね。凄い、アフリカに行ってたなんて。それもこのサークルの活動で行ってたんですか?」

「ねぇ、君面白いな。急に俺に敬語使ってるよ。俺のこと尊敬してくれちゃったのか。可愛いヤツだな」

いやいや、尊敬とかチラっと思ったけどそれは撤回。

やっぱり変な人は変な人だ。

「君も自己紹介してくんない? ずっと君って呼ぶの疲れるんだけど」

「あっ、ごめんなさい。私は君島詩織です」

「詩織ね。了解。じゃ、ここに入部の紙があるから名前書いてよ」

「私、入るって言ってませんけど」

「もういいだろ。ここに入って一緒に活動しようぜ。詩織の彼氏も誘いなよ」

「彼はサッカーするので、サークルには入りませんよ」

そう恭介の説明をしたけど、これは来年の話っていうのは秘密。

「詩織はサッカーしないんだろ? だったらこのサークルで決まり。早くここに名前書く!」

「分かりましたよ。そんなに急かさないでください」

私はこの人の強引さに負けて、このサークルへ入部することになった。


吉野大地・・・一つ年上の変な人。



この人との出会いがこの先の私と恭介の運命を変えてしまうんだ。


< 251 / 347 >

この作品をシェア

pagetop