サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

ある日、詩織から教科書を忘れたから見せて欲しいって頼まれて。

詩織に教科書を貸して俺は授業を聞くこともなく、眠ったふりをした。

1つの教科書を二人で見るとか、緊張するだろ。

俺には無理だった。


「椎名くん、授業終わったよ。教科書ありがとう」

そう詩織が言って教科書を返してきた。


次の日の授業で昨日貸したその教科書を開いたとき、そのページの左下の隅にサッカーボールの絵と、zzz・・・と、眠りを表すローマ字が落書きしてあって、小さな字で


『サッカー、頑張ってね』 って書いてあった。


なんだよ、この可愛さは。

< 315 / 347 >

この作品をシェア

pagetop