サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ それぞれの道へ -優斗-
俺は全国大会で敗退すると、すぐに大阪へと発った。
もう詩織には会わないつもりだった。
全国大会の数日前、詩織の親友の那美に、詩織への伝言を頼んだ。
『今までありがとう』と。
チームからは卒業式に出席する許可を貰っていたが、俺は俺の意思で卒業式には参加しなかった。
詩織は4月から東京の大学への進学が決まったらしい。
那美から教えてもらった。
そして那美にお願いをした。
詩織を、
詩織のことを本当に時々でいいから教えてくれないか。
元気にしているかだけでもいい。
だから、卒業してからも詩織の親友でいてくれ、と。