規制アプリ
「実は今ダイエット中で、晩御飯を半分に減らしてるんだよね。その分朝しっかり食べてたんだけど、今日はなんか食べられなくて」


蕾の言葉に思わず笑ってしまいそうになった。


まさか晩御飯を半分の量にしているとは思わなかった。


それなら、あたしが規制をかけたせいで朝も食べられず、かなりの空腹状態ということだ。


「お腹減ってんの?」


樹里がそう聞いた瞬間、重行がサイフを握り締めて教室を飛び出していた。


こちらも相変わらず樹里たちに媚ているみたいだ。


「うん」


蕾は力のない返事をしている。


「大丈夫だよ、今重行が売店でなにか買ってきてくれるから」


樹里がそう言った3分後、重行が菓子パンを片手に入って教室に戻ってきた。


それほどまでして媚を売りたいのかと、呆れてしまう。


「これよかったら食べて」


「ありがとう」


重行から菓子パンを受け取り、すぐに袋を開ける蕾。


そして口に近づけたが……食べようとした瞬間蕾はパンを床に落としてしまっていたのだ。
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