規制アプリ
「一樹のやつ、どうしたんだろうな」


「急に亜里沙の胸倉掴むとか、ありえないんだけど」


本人がいなくなった途端、教室内はざわめく。


あたしは自分の席に戻ろうと体を反転させたとき、樹里が目の前に立っていた。


イジメを行っていた時の自信は感じられないが、樹里の目は真っ直ぐにあたしを見つめている。


「最近の出来事に、あんたが絡んでるの?」


そう聞かれて一瞬たじろいでしまった。


田中先生が突然死んだこと。


重行が行方不明になったこと。


そして、今日の蕾の自殺。


どう考えても不可思議なことばかりが続いているからだ。


「なんのこと?」


あたしはとぼけた声で返事をすると、カバンを掴んで教室を出た。


どうせ今日は授業にはならない。


学校にいても意味がないからだ。
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