規制アプリ
幼いと可愛いが混ざったような外見は、男子に人気がありそうだ。


自分もそれを自覚しているようで、しぐさや言葉遣いに気を使っているのがわかった。


自分の見た目がよほど気になるのか、休憩時間を目一杯使って鏡とにらめっこをしている。


そして重行。


重行はひとりになるとすぐに樹里と一樹へと近づいて行った。


なにか一言二言会話をして、走って教室を出て行く。


どこへ行ったんだろうと思っていると、ジュースを持って戻ってきた。


学校内に設置されている自販機で買ってきたみたいだ。


それを一樹に手渡している。


その光景は必死に一樹のご機嫌取りをしているように見えた。


重行は樹里にも話しかけていたが、樹里は左右に首を振ってカバンの中からペットボトルのスポーツドリンクを取り出して飲み始めた。


どうやら、お気に入りの飲み物みたいで学校に来るまでに購入してきたものみたいだ。


4人の観察をしている内に時間は進み、1時間目が開始されるチャイムが鳴り響いたのだった。
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