【完】嘘から始まる初恋ウェディング

がらりと遠慮なく扉が開くと、ルナは真っ赤な顔をして悲鳴を上げた。 腰回りにバスタオルは巻いてはいたが、上半身は裸のままだった。

もう22歳になる女性だというのに、少女のような反応を見せる。 …やっぱり苦手だ。

すぐにドアを閉めて扉越し、ルナの「…ご、ごめんなさい」と言う小さな声が聴こえる。 急いで部屋着に着替えて、洗面所の扉を開きにこりと微笑みを作る。

最近笑いっぱなしだから、表情筋がおかしくなっている気がする。

「こちらこそ、ルナさんもお風呂ですか?」

「ええ、お風呂に入る前にロミオを探していたの。 いつもは夜は私の部屋に居る事が多いから。
でもロミオったら、白鳥さんのお風呂を見守っていたのね」

ルナの手に抱かれ、ゴロゴロと喉の音を立てるロミオはとても幸福そうな顔をする。
さっきまでこちらを威嚇していた可愛くない態度とは大違いだ。

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