棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目


 
「この絵は、俺じゃねぇよな?」


 前から紙を覗き込む、綺月君は

 目を吊り上げ、ふくれっ面。



「俺、ゾルルの荷物持ち
 させられてるじゃん!」


 ぶはっ。本当だ。



「天音、笑うとこじゃねぇし!」


「綺月君は、ゾルルの下僕決定だね」


「俺はゾルルを手名付けてやるんだから!
 綺月様って呼ばせて。
 俺にひざまずかせて……」


「綺月君、やめておきなよ」


「なんでだよ、天音!」


「激怒ゾルルに火を吐かれて、
 綺月君の髪、チリチリに燃えちゃうよ」



 やばっ。

 丸焦げ綺月君を想像したら

 笑い、止まんない。

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