棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目
「そう……なんだね……」
私の発言が、
あっ君を傷つけちゃったのかな?
そう思う程
あっ君の顔が、辛そうに歪んでいて。
「じゃあ、
僕の顔なんて、描かない方が良いね」
ため息混じりの重い声と共に
捕まれていた私の手首が、解放された。
なんであっ君が、
苦しそうな顔をしているの?
私のせい?
何がいけなかったの?
昼休みに、棘甘王子と二人だけ。
この贅沢な時間が、苦しくなっちゃったな……