シンデレラは、ここにいます。〜オレの推しの推し〜

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夢かな…



カーテンの外が少し明るかった



「謙士…」



オレの背中で憂の声が聞こえた



温かくて柔らかい感触



ん?



オレの腕の下から

白くて細い腕が出てた



ホントに憂?



夢なら夢でいい



昨日は悪夢みたいな現実を見たから



憂が寝ぼけて

オレを抱きしめてくれてる



それなら

ずっと夢でもいい



心地良くて

ずっとこのままがいい



寝返りを打ったら

きっと

憂じゃないとか



そんな夢かな



「謙士…」



憂の声



夢じゃない?



オレの前にまわる憂の手を

そっと触った



華奢な腕

細い指



振り向いて抱きしめたくなった



「ごめんね…謙士…

ありがとね…
こんなところまで一緒に来てくれて…」



夢じゃ、ない…?



ごめん





やっぱり

そっち見れない



オレが聞きたかった言葉は

そんな言葉じゃない





ごめんねじゃなくて

ありがとねじゃなくて



好きって言ってよ



オレは

また

そっと目を閉じた



そーだ…

憂の推し

やめたんだった



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