俺と妻と傷口

【力弥】

｢今日暑いね…少し汗かいちゃった…！｣
家に帰り着き、華恋が窓を開けに窓際に行く。

窓が開くと、風が入り華恋の髪の毛が揺れた。
左耳のピアスが見えた。
｢華恋｣
｢ん？｣
｢外出る時、左耳…常に見せとけよ。
確実に“盾”になるよ？｣
それに、華恋が俺のモノだって主張できるし。

華恋の左耳に触れた。
｢うん…そうだね。さっきの人達、ビックリしてたもんね｣
｢当たり前。それだけの意味があるから。だから華恋につけるように言ったんだよ？｣
俺と付き合うってことは、それだけ色んな奴等に狙われるとゆうこと。
だから、つけさせた。

｢お風呂沸いてるよ｣
｢一緒に入ろ？｣
｢うん…｣

浴槽で少し離れて、華恋が入っている。
｢華恋、こっちきて？｣
｢恥ずかしいの…！｣
｢毎日のことだろ？もう恥ずかしがる必要ないじゃん！｣
そう言って、華恋の手首を軽く引っ張った。
浴槽の中なのもあり、勢いがついて俺に軽くぶつかる、華恋。

｢キャッ！ちょっと！奏━━━━━
ンン…………｣
そのまま華恋の口唇を奪った。
｢ねぇ…｣
｢ん…や……｣
｢なんで……力弥なの…？｣
｢え？｣
｢バーで言ってたじゃん！なんで、俺がいなかったら力弥なの？｣
俺は華恋を自分の膝の上に、向かい合わせに座らせた。
少しだけ、華恋を見上げ華恋の口唇を親指で数回撫でた。

｢理由…知りたい｣
｢それは…内緒…！｣
｢なんでだよ…！？｣
｢いいでしょ？内緒！｣