俺と妻と傷口

【狂愛】

「ただいま~」
「おかえり、奏多」
俺は華恋に抱きついた。
「奏多、重いよぉ…」
「ごめん…でも今充電中だから」

華恋は俺のオアシスだから。
好きすぎて、苦しいから。
それと、力弥の件が気になってしかたがないから。

「フフ…奏多、お疲れ様!」
華恋が頭を撫でてくれた。
「華恋~好きぃ~」
「フフ…可愛い~」
今度はくしゃくしゃに頭を撫でられた。

「だから!可愛い、言うな!」
そう言って、華恋に目線を合わせ瞳を覗き込んだ。
「や…近いよぉ…」
「フフ…可愛いのは、華恋の方じゃん!」
そう言って、口唇を奪った。
「ンン……」
「華恋…エロい顔…。
それに可愛いね……」
「もう///力弥くんと同じこと言わないで…!」

「………は…?
何、その発言…」
「え?」
「え?って、今のおかしいよな?力弥に“可愛い”って言われたの?まさかキスしたのかよ!?」
「いや…そんな訳ないでしょ!?キスなんかする訳ないよ!」
「じゃあ“可愛い”って言われたってこと?いつ?」
「それは……」
「言えよ!だいたい力弥と会ったのかよ!?いつ?どこで?なんで、俺の知らないとこで会うんだよ!?」

明らかに俺は動揺していた。
華恋が俺の知らないとこで、自分以外のしかも男と会っていたこと、それが“力弥”だとゆう事実が、計り知れない嫉妬心に変わり、胸が押し潰されそうだった。
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