俺と妻と傷口
「お待たせ!華恋」
「大丈夫だった?」
「当たり前だろ?」

「てか……華恋ちゃん、めっちゃ可愛い…!」
「え?」
「ヤベーだろ…これ…」
「これはナンパされるわな…!」
「ちょっ…華恋!帰るぞ!」
「え?やだよ!今から花火するんだし!」
「は?」
「奏多達もする?」
「する~!!」

なぜ!!こうなる!!?


「綺麗~!!」
「こっちも火ぃつけて~!!」
「ちょっ…政樹くん、危ないよ!」
「いぇーい!四個持ち~!!」

ガキか!!
まぁ、華恋が楽しそうだからいいけど。
「フフ…」
「なんだよ…!?力弥」
「華恋ちゃんには、優しい顔すんだなと思って…」
「うるせーよ!」
「俺と華恋ちゃん、ライバルらしいぜ!」
「は?」
「俺が奏多を愛してるんだと…」
「はぁぁ?キモいよ……」
「だろ!?もちろん、家族みたいな愛情らしいけどな」
「あーそうゆうこと!」
「俺と奏多は似てるって!」
「あーそれ聞いた」
「この俺が、優しくて温かい心を持ってるって」
「力、弥?」

力弥が、せつなそうに顔を歪ませる。
「ズルいよな…?華恋ちゃん」
「は?」
「そんなこと言われたの初めてなんだよ……。
奏多の嫁さんなのに、絶対…奏多以外の人間を選ぶことないのに………。
俺が奏多と似てるから、付き合っていいなんて……」
「おい、力弥……」

「俺の心持ってくなんて………。
ズリーよ……」
「力弥…お前……マジで…華恋を…?」
「だから、奪うようなことしねーよ!
たださ…。
こんな苦しいんだな…?
人を好きになるって…………」

「そうだな……。
苦しいな……その気持ちだけは、わかる」

力弥の苦しい告白をただ、ただ聞いていた。

< 46 / 54 >

この作品をシェア

pagetop