カタブツ竜王の過保護な求婚

 そこに他の二人が割って入る。


「俺たちは戦が仕事だぜ? アルクネトはいい仕事場だったのに、あんたらが介入してきたせいで商売あがったりなんだよ」

「そうそう。んで、アルクネトの暴動はいいのかよ。それにこの街の暴動は止められても、南部の暴動はどうするんだ?」

「……アルクネトは大丈夫だ。ただ時間稼ぎに情報を遅らせていたに過ぎない。この街にしても陛下の指示の下、今頃は兵たちが潜伏者を拘束しているはずだ。そして南部地域については――フロメシアについてもレグル王と協力して、私が一つ一つ潰してきたところだ」

「はあ⁉ 嘘を言うなよ! あんたはアルクネトに出向いてたばかりだろ⁉ あんたが軍を指揮してると仲間が伝えて来たんだ!」


 うろたえる偽騎士に、カインは首を振った。


「いいや、あれは私ではない。弟のレオンだ。私とレオンはよく似ているからな」


 そこまで無表情だったカインは、困ったような笑みを浮かべて、目を丸くしているレイナに、また謝罪の言葉を口にした。


「今まで騙していてすまない」


 しかし、レイナには何も応えられなかった。
 あまりにも驚きすぎて、混乱が増すばかり。

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