雪の降るこの街で君に恋する
夏斗side
俺は、北山 宏と元々同じサッカー部だった。あいつは、元々存在感があって、部の中でも、先生や先輩後輩に信頼され、«次のエースは、北山だ»と言われていた。そんなやつが、芸能界にスカウトされたというのを聞いて、驚きはしなかった。なぜなら、学校でも、ファンクラブがあるほどビジュアルはよく、人気があり、いつも成績は上の方だったから。みんなが驚いたとしたら、ひとつだけだろう。大好きだと言っていたサッカーをやめてまで、芸能界に入ったからだ。俺は、昔からの夢だということは、知っていた。俺達は、結構仲のいい方だったから。
そして、宏が部をやめ、みんなやる気がなくなったのか、前までの辛い練習はなくなった。だから、俺も、部にも顔を出さなくなり、授業もサボるようになった。サボる時はきまって、屋上でいた。単位はそこそこあったし、学校にいるだけましだと思ったから。
ある日、いつものように屋上で授業をサボっていたら、 ドン!と音が鳴った。授業中だから、人が来るわけないと思っていたから、少しびびった。よく見ると、女子生徒だった。それも、よく見た事のある。
華島雪だ。宏の幼なじみでよく一緒に登校や下校をしていたのを見ていたから知っていた。華島も男子の中では人気な方だったし、部活で華島の話題が出る度、宏が、不機嫌になっていたのを覚えてる。
見た感じ、泣いていたし、ビショビショで、今にも、飛び降りそうなのを見ていじめと分かった。まぁ、いっかと思い、ほっとこうと思ったが、宏の大切な幼なじみだからと思い、

〘なにしてんの〙

こちらを見て

「えっあなたば誰?ここで何をしてるの?」

どうしてって言われても、サボってるからなぁ。どうしよ。

〘お前こそなにしてんの?つか、人の名前聞くなら自分から名乗れば? 〙

名乗らなくてもわかっていた。だけど、こうでも言わないと、ほんとに死にそうだったから。

「私は、華島雪。あなたは?」

華島は、俺のこと知らないんだなぁ。まぁ、話したこともないし仕方ないか

〘俺は、霧島 夏斗 〙

「霧島君は、ここで何してるの?今は授業中だよ。早く教室行ったら?」

〘お前こそだろ?俺は、見ての通りサボりだよ。わかんねーの?てか、なんでそんな泣いてんだ? 〙

「な、なんでもない。…グス」

〘ハァ、、、 〙

めんどくせなー女ってこれだから、
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