【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「桃原さん」

 と声が聞こえた。その声で顔を上げると、そこにいたのは……。

「……さ、五月女社長?」

 なんで五月女社長がここに……?

「桃原たちさんが探してるのは、もしかしてこれのことかな?」

 と言ってわたしに見せたそれは……。

「えっ、それ……!?」

 それは、わたしたちが一生懸命探していた納品書だった。

「な、なんで社長がそれを……!?」

「女子トイレに置いてあったそうだよ? 清掃係のおばさんがトイレに置いてあったって、俺に渡してきたんだよね」

「……え、ええーっ!?」

 な、なんでそんなところに!? もう、訳わからない……!

「……あっ」

 するとその時、葉山が目を見開いた。

「なに、葉山?」

 ふと葉山に目を向けると、葉山は申し訳なさそうに゙すみません゙と言った。

「え?」

「そういえばさっき、納品書受け取って、そのままわたしトイレに……。すみません」

「何やってるの……。 でももう、良かったよ本当に。今度から気を付けてよね」
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