【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



 わたし、卓球初心者なので!

「りょーかい」
  
 彼はそのまま軽くサーブを打ってきた。わたしは一応、そのボールを打ち返した。

「すごいじゃん、奈都。上手いぞ」
 
「あ、ありがとうございます」

 ちょっとだけなのに、凄く褒めてくれる五月女社長。

「よし、もう一本打つぞ?」

「は、はい」
 
 出来るだけ頑張って打ち返してみようと思ったけれど、結構難しくて……。

「あ……!」

「惜しいじゃん、奈都。もう少しだったな?」

「す、すみません……!」

「いや、謝る必要はないよ。 さ、今度は奈都からサーブ打ってみ?」

 と言われて、サーブをしてみた。一応コツンとワンバウンドして、社長のいるコートにはボールは入ったようだ。

「そうそう。そんな感じ。もう一回やってみ?」

「は、はいっ」

 そんなことを繰り返すうち、わたしはだんだんと卓球の面白さに気付いてきた。

「社長、行きます!」

「よし、こい」

 なんて言い合いながら卓球をしたけど、案外楽しかった。
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