【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
最近ではもう、すっかり咲哉さんの家に住み着いているわたし。……もはや同棲していると言ってもおかしくない気がする。
「今から作ります?」
と聞くと、咲哉さんは「いや、素麺(そうめん)食べてからやろう」と言った。
「分かりました。すぐ準備しますね」
わたしはお昼ご飯の準備を始めた。鍋に水を入れて、火をつけてお湯を沸かした。その間に薬味のネギやミョウガを刻んだ。
「にしても、暑いな……。やっぱりエアコン付けるか」
と言った咲哉さんは、エアコンのボタンを押した。そして「涼しい〜」と涼み始めていた。
「暑いですよね。 冷たい素麺にも、氷乗せましょうか」
「お、それいいな」
わたしは小さな器に、素麺のつゆと氷を入れてまた冷蔵庫で冷やした。
素麺が出来上がった頃には、すっかりリビングはエアコンの風で冷え切っていた。涼しくて思わず暑さを忘れそうになった。
「いただきます」
「どうぞ」
冷たい素麺が喉を通ると、あー、夏だなといつも感じる。