クール系上司の裏の顔
ーー大人になったら迎えに来るから結婚しよ

ーーうん!約束だよ。ずっと待ってる!

ーーじゃあ、これは約束のお守り

ーーこっちは僕が持ってるから、離れててもこれがあれば大丈夫!

ーーわぁー可愛い!ありがとう、大事にするね。

…………………………………
「んー、ふぁ~~」

なんだか、懐かしい夢を見た

確か小学3年生の夏休みくらいかな?
北海道に旅行に行った時に、同い年くらいの男の子と知り合って仲良くなって毎日二人で遊んだ記憶がある
2週間くらい滞在して帰るときに空港まで男の子が見送りに来てくれてその時に鍵穴のついたペンダントをくれて、すごく嬉しかったのを覚えてた
結婚の約束までして…何故か胸がドキドキしたのを覚えてる
確か男の子の名前がまーくんだったはず
周りの音がうるさくてよく聞き取れなくて「ま」だけが唯一聞き取れたからまーくんって呼んでる

「まーくん、今は何をしてるんだろ??
あれから何回か北海道に旅行に行ったけどまーくんには会えなかったなー」

ふと、時計を見ると8時ぴったし

「わぁ!やばい遅刻しちゃう
入社日なのに遅刻とか駄目じゃん!
開始は10時からだし、ここから30分だから9時に出たら間に合うかな?
初めて行くから迷わないように早く出なくちゃだしお弁当も作らなきゃ!」


顔を洗って洗濯もして
朝ごはんは白ご飯に昨日の晩御飯の残りの筑前煮にして

お弁当は彩りとバランスを考えて詰める
「うん!いい感じにできたかな?」

朝ご飯を食べて、軽く化粧をする

スーツを着ると社会人って感じがして、大人になれた気がする

「9時ぴったし!今日も一日頑張りますか!」
鍵を閉めて歩き出す
仕事場は家から電車で30分
乗り換えせずに一本で行けるところに引っ越した
私が行くところは東堂ホールディングスで
設立わずか5年ながらに、不動産業界でその名は知らない人がいない程にまで上り詰めたすごい所
配属先は入社日に言われるからまだ分からない
そんなすごい所に就職できたのは奇跡だと思う!

電車に揺られて20分会社の最寄り駅に着く
駅から会社は5分位で着いた

受付の入社説明会に来たことを伝え通された部屋にはすでに数人の人が居た

とりあえず空いてる席に座り始まるのを待った

ガチャ
扉の開く音がして…社長さんが入ってきた
東堂駿(とうどう すぐる)50歳 会社設立者
50歳とは思えないほどの容姿・オールバック
右に出る者はいないと言われるまで上り詰めたやり手だという
社内にファンクラブができるほどの人気ぶり

この情報はさっき仲良くなった広瀬沙奈(ひろせ さな)が教えてくれた
さなちゃんとはゲーム好きで意気投合した

そうこうしている内に社長の話も終わり今から配属先のみを発表と配属先への挨拶をすることになった
嬉しいことにさなちゃんと私は同じ営業部への配属が決まった。

「優~、やったね!おんなじ部署になれて!」

「だねー!これからよろしくねー!」


「営業部に配属の方こちらに来てください」

声のする方に行くと背の高い男の人がいた

「営業部部長 松村龍だ。よろしく」

よく見るときれいな顔立ちをしていて、ハーフっぽいような??
声も低く落ち着いた感じでなんか安心するかも??
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop