秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
私たちは、揃ってリビングへ戻った。寝室では晴馬が寝息を立てている。私がいないときにグズって起きたりしなくてよかったなと安心する。

「なぁ、茜音」

不意に切り出した兄がダイニングテーブルの椅子に腰を下ろす。私も兄に続き、テーブルの正面の席に腰かけた。

「どうしたの? お兄ちゃん」

「実は、ずっと聞きたいことがあったんだけどさ」

いまいちぎこちない笑顔で尋ねてくる。違和感を覚えるが、いつもの調子で「なぁに?」と尋ね返した。

「晴馬ってさ――」

兄はテーブルに身を乗り出して肘をつき、くしゃっと前髪をかきあげて歪な笑顔を作る。

「涼晴との間にできた子なんじゃないのか?」

その瞬間、頭が真っ白になった。

どうして気づいたの……?

その推測は正しい。しかし、その事実を認めてはならない。

なんと答えればいいのだろう、私にはわからなかった。


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