秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
もぞもぞと彼女がつらそうに下半身を擦り合わせる。出会った頃からは比べ物にならないくらい大胆になった彼女を見て、口元の綻びが止まらない。

「君のベッドへ行く?」

「だ、ダメ! お兄ちゃんの部屋のすぐ隣だもん、声、聞こえちゃう」

「だったら、俺の部屋に行こう。それまで我慢できる?」

彼女はこくりと頷いて、俺に手を引かれて立ち上がった。家を出てエレベーターに乗り込み一度、一階へ。

セキュリティの関係で、途中の階から他の住居階に直接移動することはできない。どうしても一度、一階での乗り変えが必要になる。

もどかしい時間を、彼女と幾度もキスをしてやりすごす。二十階、俺の家に着くとすぐさま寝室へ直行し、彼女を抱いた。

……のぼせ上がっているな。

半年以上も手を触れず我慢してきたというのに、このザマだ。俺の理性はなんと脆いものかと、呆れるしかなかった。


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