秘密で子育てしていたら、エリート外科医が極上パパになりました
前回休日診療に出かけたときは、家を出る前は39度だった熱が、帰ってくる頃には40度に上がっていた。

長時間待たされて悪化した割には、解熱剤しかもらえなくて、行かなければよかったとがっかりした覚えがある。

よほどぐったりしているときや、インフルエンザのように早く薬を飲まなければならない場合は別として、軽く熱が出た程度なら家で安静にしていたほうがいいと学んだ。

解熱剤も残っているし、しばらくは様子見でも大丈夫だと思うのだけれど……。

コンコンと乾いた咳をする晴馬を見つめながら、不安たっぷりの大きなため息をつく。

大丈夫だと頭ではわかっていても、やっぱり心配になってしまうのだった。



リンゴジュースが切れてしまい、お尻拭きもそろそろ在庫が心配だ。

土日は買い出しを予定していたのに、晴馬の風邪で身動きが取れなくなってしまった。晴馬をひとりで置いていくわけにはいかないし、連れて行くわけにもいかない。

「俺が買ってくるから、買うものリストくれよ」

兄がそう言ってくれたので、買いたいものを携帯端末に打ち込んで、メッセージで送ったのだが、リストを見ながら兄は渋~い顔をする。
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